10.202022
花ぼうる・・・10月20日(木)は琉球料理の日
花ぼうる
花ぼうるは琉球王朝時代から現在まで高級な焼き菓子として祝い、法事両方に用いられているお菓子です。南蛮菓子の一つとして日本に伝わり、沖縄にも伝わりました。
琉球王朝菓子で使う卵は卵黄だけといわれています。この花ぼうも卵黄のみを使い、卵黄と同量の砂糖をよく混ぜ、小麦粉を加えます。生地を包丁で切れるくらいの硬さにし、長方形に伸ばし(左上)、切込みを入れながら(右上)形を作っていきます。右下が切り込み終了で成形し、左下が焼き上がりです。一見型で抜いたように思われますが一つ一つ手作業で作ります。
この切り方には、色々名前を付けていることがありますが、正式な名前は不明です。
花ぼうるは、江戸時代の江戸では非常によく食べられた菓子で、当時の人気漫画本の登場人物に「花ぼうる家老」が出るほどでした。しかしその後、花ぼうるは姿を消し、切込みを入れて作る花ぼうるは、現在沖縄にのみ残っている貴重な菓子となっています。大切にしたいものです。
私が新垣淑扶さん(琉球菓子の達人)から教わった55年前は、写真や動画などいう手段は一般的ではなく、体で覚えるか、メモを残すかでした。淑扶さんから、記録を残して、いつまでもこの菓子が残るようにと指導されました。今、琉球料理伝承人のフォローアップ講座や出前講座などで取り上げられていて、花ぼうるを切ることが出来る人が増えているので、この技術は、しっかり守られていくことでしょう。
花ぼうるには、このほかに「立ち花ぼうる」(左写真の上 お盆のお供えに使われた)、「ティーウサー」【左写真右下】、「法事用の大型」(右写真の奥の二つの焼き菓子)などがあります。
「ティーウサー」は、手を合わせるという意味で、南島製菓の村吉政博さんから教わりました。仕事場に琉球菓子のことを教わりに行った時、丁度、普通の花ぼうるをたくさん作っておられ、そういえばこんな切り方もあったと言って切ってくださったのを、傍で見て、図示したのを覚えています。
文責 安次富順子
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