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5.192022

海馬について・・・5/19(木)は琉球料理の日

海馬(ジュゴン)・幻の食べ物

ジュゴンは西太平洋、インド洋、アフリカ東海岸、沖縄近海に生息する草食性の哺乳類(海獣)です。儒良、需良と表記され、人魚、犀魚、ザン、ザンノイユ、アカンガイユ、ヨナタマなどと称されます。『おもろそうし』、『沖縄語辞典』には、アカンガイユ、ザンノイユと記されています。

『中山伝信録』には海馬と記されており、「頭は馬で、体は魚であるが、鱗はない。肉は豚の様で、なかなか手にはいらない。手に入ると、まず、国王に進上する。」とあり、王府文献の表記は海馬が使われています。琉球王朝時代は、ジュゴンが獲れれば国王に献上し、また八重山の新城島は捕獲権が認められ、税として納めさせられていました。冊封使饗応料理にも用いられています。また、戦前、尚順男爵の『松山王子尚順遺稿』にもジュゴンの吸い物でもてなした話が出ています。

私は、2000年沖縄サミットの折に、テレビ朝日の依頼で冊封使饗応料理を手がけました。突然の依頼で迷いましたが、思い切って挑戦することにしました。食材、盛り付けの器の調達には苦労しました。特に、海馬は捕獲禁止なので手に入らず、何で代用しようかと皆で考えた結果、鯨を使いましたが肉は真っ黒でした。その直後、ある週刊誌にソロモンの貴重な食べ物として、ジュゴンとウミガメが掲載されていました。横たわったジュゴンのお腹とスパッと切り開いた写真の肉は白くきれいなものでした。その後、色々調べていると、『中山伝信録』には肉は豚の様とあり、次回からは豚肉を使っています。

余談ですが、テレビ局の依頼は、3段までを形だけでいいといわれましたが、いい機会なので5段まで作ろうと、採算を度外視して本気で取り組みました。冊封使饗応料理は、とてつもなく大変な仕事で、しかも、研究不足に時間的制約が加わり、納得のいくものではありませんでしたが、資料には忠実に材料や器と向き合いました。曲がりなりにも冊封使饗応料理の全容を写真で残せたことは、王朝文化を知る手掛かりになったのではないかと思っています。

現在は、ジュゴンの生息数が世界的に少ないため、国際自然保護連合(IUCN)の絶滅危機種に指定され、日本でも国の天然記念物になっているため、捕獲は禁止されています。サンゴ礁の砂地に生えるアマモなどを食べ、2,3頭で遊泳するとのことです。昔は、結構多くのジュゴンが沖縄近海にいたようですが、環境の変化により激減した様です。辺野古の海のジュゴンも生息していてほしいと願います。

                            文責 安次富順子

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