11.172022
沖縄県「世界一長寿地域宣言の碑」・・・11月17日(木)は琉球料理の日
沖縄県「世界一長寿地域宣言の碑」
沖縄県は、1980年の国勢調査の結果、平均寿命が男女とも全国第1位で、「長寿県沖縄」として誇りを持っていました。世界的な長寿研究者により長寿の要因は、低カロリー・低塩食、温暖な気候風土及び社会インフラ整備等と検証されました。そのことを受けて、沖縄県は、1995年、戦後50年の大きな記念事業として
「世界一長寿地域宣言」を行い、記念碑を泡瀬の沖縄県総合運動公園に建立しました。しかし2000年の国勢調査では、男性の平均寿命が26位に急落しました。その主な要因として、青壮年期の食生活の変化による肥満や運動不足等による生活習慣病の増加が挙げられており、「26ショック」という社会現象を引き起こしました。現在は36位です。
戦後の食生活の変化は、アメリカ統治下の食の欧米化、外食産業の台頭、家庭料理離れ等、高カロリー、高脂質食が生活習慣病を招いたと考えられています。また手軽に食べ物が手に入るようになり、伝統食=琉球料理離れ、家庭の料理離れが進んだことも要因と考えられます。
長寿から短命になった有名な例があります。世界3大長寿地域とされていた、南米エクアドルのビルカバンバという小さな山深い村で、町から非常に遠く離れていました。そこに道路が1本できたことにより、色々な食べ物が流入しました。食生活は大きく変わっていきました。高カロリー,高脂質の食べ物、さらに運動不足が加わり、14年で平均寿命が10年下がってしまい長寿地域とは言われなくなっています。
沖縄で「長寿県」を誇っていた頃と今の比較です。 1980 年 2020年
昆布 1500 g 310g(8位)→ 5分の1に減少
豆腐 73.87 丁 63.4丁(2位)
削り節 2693g 895g(1位)→ 3分の1に減少
これを見ても、かつお節日本一の使用量といっても、40年前の三分の一に減っています。昆布も然りです。
沖縄の長寿を支えた「伝統的な琉球料理」は沖縄の宝です。
口先を満足させるだけでなく 体の良い食材を
先人の守ってきた
体に良い調理法で
食べましょう
琉球料理伝承人の活躍が期待されます。
「世界一長寿地域宣言の碑」が再び注目を集める日を目指して!!※まもなく新しい平均寿命が発表されると思います。順位が下がっていないことを祈ります。
文責 安次富順子
「世界長寿地域宣言の碑」 在「沖縄県総合運動公園」
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