4.162021
味覚の変化・・・4/15(木)は琉球料理の日
味覚の変化
味覚は時代と共に変化しています。健康志向の影響で塩味と油脂の使用量が随分へりました。
先日、シーサーの衣装を着たかわいいキューピー人形に出会いました。キューピー那覇営業所開設50周年記念の品だそうです。50年前、日本復帰の年にキューピー社のマヨネーズが沖縄に入ってきた時のことを思い出しました。当時はエゴーマヨネーズ(正式にはサラダドレッシング)が大きく幅を利かせていました。新島料理学院で学生を対象にキューピーマヨネーズの味覚テストをしたところ、酸っぱいとの声が強く、エゴーの甘さに慣れた口には受け入れられませんでした。50年たった今、まったく立場が入れ替わり、あれだけ幅を利かせていたエゴーの姿は影を潜めています。また、現在はマヨネーズの他多くのドレッシングが出回り、生野菜を食べる習慣のなかった沖縄に、生野菜のサラダという料理が根付きました。
納豆も大きく変化した味覚の一つです。同じく50年位前に、沖縄産の納豆が出来、学生に味覚テストをしました。半数は匂いを嗅いだだけで臭いと口に入れず、また、食べた人もほぼ全員拒否反応でした。ところが今はスーパーにはいろいろな納豆が並べられて、好んで食べられています。
琉球料理も昔は脂っこいといわれていましたが、近年、肉は茹でて脂を落とし、豚だしに浮いた脂は取り去るなど、またおいしさを引き出す程度の油脂の量を使うようになったことなど、油脂の使い方も工夫されてきています。琉球料理のおいしさには豚脂(ラード)は欠かせないものなので、上手に使って琉球料理の味を守りたいと思います。
味覚は、マヨネーズや納豆に様に口にする回数や情報が増えることにより慣れていくのだと思います。琉球料理も口にする回数と琉球料理の良さを伝えることを増やさないと忘れられてしまいます。琉球料理をあまり食べてこなかった人口が増えている今、琉球料理を広めることで、しっかり琉球料理を守りたいものです。
文責 安次富順子
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