12.162021
ナットゥンスー・・・12/16(木)は琉球料理の日
味噌とサンニンの香りにヒハツ(胡椒に似た香辛料)のピリッとした辛みがきいた沖縄独特の香り高い餅です。かつては、お正月のお茶うけに作られ、年頭味噌といわれることもありましたが、今では年中手に入ります。
もち粉、砂糖、赤味噌、ヒハツを水でこね、耳たぶ位の堅さに練り、サンニン(月桃)の葉の裏に1cmくらいの厚さに平たくのし、表面に生の落花生を四弁の花弁のように飾ります。これを蒸し上げますが、強火で蒸すと口当たりの滑らかさが失われ、表面がぶつぶつと荒れてしまします。時間をかけて蒸しといいでしょう。日持ちがよく、硬くなったら、焼くか、蒸すか、レンジでチンするかすると美味しく食べることができます。
ナットゥンスーは、(辻遊郭)が発祥といわれています。チージは社交の場で、料理屋の要素を兼ね備えた他府県には類を見ない遊郭でした。遊女の作るもてなしの心の入った料理は、琉球料理の発達に影響を与えたといわています。正月前になると、馴染みの客の家にナットゥンスーをお歳暮として届けたといわれています。
『料理沖縄物語』古波蔵保好著より
「ナットゥンスーとこう菓子は正月にしか現れない菓子だった。中略 昔は律儀に正月が来ないと売らなかった。
中略 私の家に届けられてくるのは、父の遊興に対するお返しのようなものだったといっていい。たぶん母は、喜んで受け取れない想いだっただろうーーー。
文責 安次富順子
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