お知らせ

7.212022

イラブー・・・7/21(木)は琉球料理の日

神秘的な生物イラブー

イラブーは「エラブウミヘビ(永良部海蛇)は、コブラ科エラブウミヘビ属に分類され、東南アジアや奄美大島、沖縄などの暖かい海に生息しています。体長は1.5m程度で海藻を食べて育ちます。エラブトキシンという強い神経毒を持っていますが、おとなしく口が小さいため、人に危害を加えることはほとんどありません

  イラブーは久高島と石垣島、宮古島が産地です。中でも、久高島は400年の歴史があり有名です。琉球王朝時代に王府からイラブーの採取権を与えられ、久高ノロにその権限が与えられました。イラブー漁は琉球王府の通年行事で国王に献上します。中国への交易品として珍重され、また1800年に来琉した清の冊封使のもてなした記録もあります。イラブー漁はノロの女性が担当し、旧暦の6月〜12月末まで神事として行っていましたが、後継者がいないため、現在は島で決めた特定の男性二人が行っているとのことです。

 イラブー洞(ガマ)の浜に上がってくるイラブーを素手で捕まえるのが島のしきたり。捕ったイラブーは2カ月ほど餌を与えず、おなかをきれいにして熱湯につけて鱗を取り、大きいものは棒状に、小さいものは渦巻き状に調え、「バイカンヤー」と呼ばれる専用の燻製小屋で一週間燻製処理が行われます。

イラブーのたんぱく質はアミノ酸組成がよく、旨味の主成分になっています。脂質は魚に似て、コレステロール降下作用や血栓予防効果が期待されます。ビタミンやミネラルも豊富で、また心臓に良いとされる成分も含まれ、強壮、疲労回復に効果があるとされています。これらの成分は酸化されると効果が弱まるので、買うときは酸化臭のない、かつお節のようなにおいのするものを選ぶとよいでしょう。また、調理する時は、周りの汚れをきれいに洗い流して、エキスに汚れがの残らないようにしてください。

イラブーは燻製品を使うのが一般的ですが、宮古では生を使うこともあるようです。琉球料理伝承人の友利康子さんに調べてもらったところ、頭を切って血を抜き(血も効能あり)、バーナーで皮を焼いて皮を剝き、内臓を取り、適当に切って茹でて使うとのことでした。

                                  文責  安次富順子

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